トランプ政権、日本にGDP比3.5%の防衛費増額を要求 英紙報道

2025/06/21 10:07 

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 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は20日、トランプ米政権が日本政府に対して、防衛費を国内総生産(GDP)比3・5%に増額するよう要求したと報じた。これに反発した日本側は7月1日開催で調整していた日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)の取りやめを決めたという。複数の日米政府関係者の話として伝えた。

 FTによると、防衛費増額は米国防総省ナンバー3のコルビー国防次官(政策担当)が要求した。コルビー氏は3月に連邦上院軍事委員会に提出した書面で、日本が防衛費をGDP比3%まで増やすべきだと主張していたが、さらに要求額を引き上げた形だ。

 米側の唐突な要求に日本政府内では怒りが広がっているという。日本政府関係者はFTに対し、2プラス2取りやめは、7月の参院選も考慮したと説明した。

 日米2プラス2は、両首脳が2月の会談を受けて、それぞれの担当閣僚に早期の開催を指示していた。6月末に米首都ワシントンでの開催が調整されている日米豪印4カ国の協力枠組み「クアッド」の外相会議に合わせて開かれる方向だった。

 日本側は岩屋毅外相と中谷元・防衛相、米側はルビオ国務長官とヘグセス国防長官が出席し、装備品の共同開発などについて話し合うとみられていた。

 日本は2027年度までに防衛費をGDP比2%に引き上げる方針だ。石破茂政権は「日本の防衛費は日本が決めるものだ。米国に限らず他国に言われて決めるものではない」との姿勢を強調している。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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