今も続く当局の厳しい情報統制 中国・天安門事件から36年

2025/06/04 09:11 

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 中国共産党・政府が首都・北京で学生らの民主化運動を武力弾圧した天安門事件から4日で36年となった。中国当局は事件を「動乱」と呼び、弾圧を正当化する姿勢を変えていない。

 事件の遺族らでつくる団体「天安門の母」は4日までに、事件の真相究明や賠償などを求める声明をインターネット上で発表。当時19歳の息子を亡くした母親の張先玲さん(87)は「対話を通じた問題解決を何度も提案してきたが、当局は応じず、メンバーの監視や盗聴を行っている」と動画投稿サイトで訴えた。

 天安門事件は1989年6月3日深夜から4日未明にかけ発生。民主化を求め、北京中心部の天安門広場やその周辺に集まった学生らに軍が発砲し、多くの死傷者を出した。

 中国当局は死者数を319人としているが、実際にはさらに多くの犠牲者がいたと指摘されている。当局は事件に関する情報を厳しく統制しており、国内では事件はタブー視されている。【北京・畠山哲郎】

毎日新聞

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