米露首脳が電話協議へ 停戦に向けプーチン氏に譲歩迫る考えか

2025/05/19 18:11 

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 トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領は19日、ウクライナ情勢を巡り、電話協議する。トランプ氏は、停戦の受け入れに難色を示してきたプーチン氏に譲歩を迫るとみられる。ただ、老練なプーチン氏が自国に優位な条件を引き出そうとするとの見方も根強く、協議の行方が注目される。

 両首脳の電話協議は3月以来で約2カ月ぶりとなる。トランプ氏は17日、自身のソーシャルメディアに「(19日が)生産的な日となり、停戦が実現し、暴力的な戦争が終わることを願っている」と投稿。プーチン氏との協議後にウクライナのゼレンスキー大統領や北大西洋条約機構(NATO)加盟の各国首脳とも話し合うとした。

 ロシアとウクライナの停戦は、トランプ氏の昨年の大統領選の「公約」であり、実現に躍起になっている。ロシア寄りの姿勢を見せながら停戦に向けた歩み寄りを促してきたが、ロシアは戦況で優位に立っており、米とウクライナが求めている30日間の停戦にも応じてこなかった。

 ロシアへの不満を募らせているとされるトランプ氏が、交渉の「圧力」として言及してきたのが、ロシアと取引する第三国の金融機関などを制裁する「2次制裁」だ。

 一方で、ロシアは強硬な姿勢を維持してきた。ロイター通信によると、ロシアはトルコ・イスタンブールで16日に行われたウクライナとの直接協議で、一方的に併合を宣言したウクライナ東・南部4州からウクライナ軍を撤退させることや、実効支配するウクライナ南部クリミア半島とこの4州を国際的に「ロシア領」として承認することを求めた。ウクライナにとっては到底容認できず、立場の隔たりが改めて浮き彫りになっていた。【ワシントン松井聡】

毎日新聞

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