印パ衝突「仲介」、トランプ氏が成果強調 ウクライナ停戦交渉は難航
トランプ米大統領は10日、自身のソーシャルメディアで、インドとパキスタンの停戦合意について、「米国が(両国の)歴史的な英断に至ることを手伝うことができ誇りに思う」と述べ、仲介の成果を強調した。トランプ氏は「ピースメーカー(平和の構築者)になりたい」と公言してきたが、ウクライナやパレスチナ自治区ガザ地区の戦闘を巡る停戦交渉は難航。今回の印パの停戦を実績としてアピールした格好だ。
インドとパキスタンはカシミール地方の領有権を巡り長年対立してきた。インド側は、パキスタン国内で極めて大きな影響力を持つ軍部が長年テロ組織を支援してきたと批判し、インド国民の間でもテロへの強硬な対応は高い支持を受ける。
一方、パキスタンはそもそも英国植民地時代のインドで、多数派のヒンズー教徒と少数派のイスラム教徒の対立が深まったことを受け、イスラム教徒がインドから分離する形で独立した経緯がある。とりわけ軍部は、国土や人口、軍事力で勝るインドを「脅威」に据えており、インドへの対抗は「国是」とも言える。
こうした中、インド側でテロが起こる度にインドがパキスタンを攻撃し、パキスタンが応戦するという悪循環に陥ってきた。両国とも過度なエスカレーションは避けたいのが本音だが、国民に弱腰とみられることを避けるため、他国の仲介なしに歩み寄るのは難しい面がある。
米国は核戦争を避けるため、これまでも両国の衝突の度に仲介役となってきた。また米国にとってインドは中国に対抗する意味で戦略的な重要性が増している。パキスタンとも対テロで協力してきた。
今回の印パの衝突では、ルビオ米国務長官が双方と電話協議を重ねて緊張緩和に取り組んだ。一方で、米政権内で対外関与に否定的だとされる「抑制派」のバンス副大統領は8日の米FOXニュースで、印パの紛争は「基本的には我々には関係ない」などと主張。米国の仲介の「本気度」に対する懸念も浮上していた。
だが、結果を見ると、米国の仲介は奏功した。その要因としては、印パ双方が更なる激化を回避したいという意思が明確で、互いに面目を保つ形での落としどころを探ることで一致できたからだ。
一方で、同じく米政権が停戦の実現に向けて仲介に取り組むウクライナやガザ地区の戦闘では、そもそも当事者同士が停戦に応じる用意があるのかが定かではない。妥協点を見いだすのも容易ではなく、米政権の「仲介」が今後も成果を生むかは見通せない。【ワシントン松井聡】
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