トランプ政権に590億円相当の「贈り物」 カタールがジェット機

2025/05/13 09:35 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 トランプ米大統領は12日、カタール王室からジャンボジェット機の贈与を受け、大統領専用機「エアフォースワン」として使用する意向を明かした。ホワイトハウスで記者団の質問に答えた。倫理的な問題などが指摘されているが、トランプ氏はカタールからの「申し出」だとし、「断るのは愚かだ」などと語った。トランプ氏は13日にサウジアラビアから中東歴訪を開始し、14日にはカタールを訪れる予定だ。

 贈与計画は、複数の米主要メディアが11日に報じていた。機体は米航空機大手ボーイング747―8型機で、1機あたり約4億ドル(約590億円)相当とされる。受領後は、米軍が必要な改修をしたうえで使用する。合衆国憲法は大統領など政府職員が議会の了承を得ずに外国政府から贈与を受けることを禁じているが、トランプ政権は国防総省が受け取る形であり、法的な問題はないと判断しているという。

 現在の専用機は1980年代製造で老朽化しており、トランプ氏が1期目に後継機2機をボーイング社に発注した。納入は当初2024年とされていたが遅れており、27年以降になる見通しだ。トランプ氏は納入の遅れについて不満を述べていた。

 トランプ氏は贈与計画について記者団に尋ねられ、「カタールからのこの申し出は素晴らしい。私は、非常に高価な航空機を無料で(贈与しましょう)というのに、それを要らないと愚かなことを言うような人間ではない」などと述べた。後継機が運用できるようになるまで数年の使用を想定しており、退任後は大統領図書館に直接送られ、私的な利用はしないなどと説明した。【リヤド西田進一郎】

毎日新聞

国際

国際一覧>

注目の情報