「新たなごまかしだ」 ゼレンスキー氏、ロシアの一時停戦宣言を非難

2025/04/29 17:01 

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 ロシアが5月9日の対ドイツ戦勝記念日に合わせて「8日から72時間の停戦」を一方的に発表したことについて、ウクライナのゼレンスキー大統領は4月28日のビデオ演説で「新たなごまかしだ」と非難した。プーチン露大統領の停戦宣言は、記念日の軍事パレードを平穏に行うためだと指摘し、「5月8日まで待つ理由はない」と訴えた。

 ゼレンスキー氏は以前から、全面的かつ無条件の即時停戦を求めている。露大統領府は28日に「人道上の配慮」として一時停戦を一方的に宣言したが、ゼレンスキー氏は露側の意図に懐疑的な見方を示し、一時停戦について「少なくとも30日間でなくてはならない」と主張。和平調停を進める米国に対して、ロシアへの圧力を強めるよう期待を表明した。

 プーチン氏は19日、ロシア正教会の「復活祭」(イースター)に合わせて「30時間の攻撃停止」を命令し、ウクライナにも同調を求めた。ウクライナは当初受け入れる姿勢を示し、停戦期間の延長も提案した。だが、双方が「停戦破り」を主張して不調に終わった。

 ゼレンスキー氏は21日、民間施設を標的にしたミサイルや無人機(ドローン)による攻撃を30日間停止するよう提案したが、ロシアからの反応はなかった。ゼレンスキー氏は28日の演説で「ロシアは常に全てを拒否し、世界をあざむいている」と不信感をあらわにしていた。【ベルリン五十嵐朋子】

毎日新聞

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