カナダ総選挙、カーニー首相が政権維持 対米強硬路線の与党勝利確実

2025/04/29 11:32 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 カナダ総選挙(下院、定数343議席)が28日、投開票された。カナダ放送協会(CBC)などは、3月に就任したカーニー首相が率いる中道左派・自由党が第1党となり、政権を維持することが確実な情勢と伝えた。単独で過半数を確保できるかが焦点となる。

 自由党は、隣国のトランプ米大統領が関税や「併合」に言及して揺さぶりをかける中、対米強硬路線を明確に打ち出し、リベラルな野党や地域政党の票も取り込んだ。

 長引く物価高騰の影響などを受け、少数与党の自由党の支持率はこの数年低迷が続いた。今年1月初旬にはカナダ放送協会(CBC)がまとめる各種世論調査の平均で約20%にまで落ち込んだが、トルドー前首相の辞任とトランプ米政権の発足を機に急回復。最大野党の中道右派・保守党は終盤で追い上げたものの、議席配分の多い大都市圏を抱える東部オンタリオ、ケベック両州での劣勢が響いた。

 3月の自由党党首選で圧勝したカーニー氏は政権基盤の安定を目指し、10月までに予定されていた総選挙の前倒し実施に踏み切った。カナダの下院選は小選挙区制で第1党の党首が首相に就く。元中央銀行総裁で議席がないまま首相に就いたカーニー氏もオタワの選挙区から出馬した。【オタワ八田浩輔】

毎日新聞

国際

国際一覧>

注目の情報