スペイン全土で異例の大規模停電 ポルトガルやフランスの一部でも

2025/04/29 08:16 

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 スペイン全土やポルトガル、フランスなどの一部地域で28日午後0時半(日本時間午後7時半)ごろから大規模な停電が起きた。スペインでは首都マドリードや北東部バルセロナなど各地で地下鉄やバス、鉄道が運休し、信号機も停電して交通がまひした。

 インターネットなどの通信も乱れ、学校や病院、商店にも影響が出た。欧州メディアは、これほど大規模な停電が欧州で起きるのは異例だと報じている。

 各国政府はサイバー攻撃の可能性も含めて原因を調べているが、欧州連合(EU)のコスタ大統領はX(ツイッター)に「現時点でサイバー攻撃の兆候はない」と投稿した。

 28日午後11時(日本時間29日午前6時)現在、電力の約50%が復旧したが、影響は続いている。スペイン政府は複数の州を対象に緊急事態宣言を出した。

 スペインのエルパイス紙などによると、28日午後0時半ごろ、国内消費量の6割にあたる1500万キロワットもの大容量の電力が、何らかの理由で突然5秒間失われた。

 電力は需要と供給のバランスが大きく崩れると停電を引き起こす。欧州の他の地域への波及を避けるため、フランスなどとの送電網が切断されたとみられ、その結果、イベリア半島で電力需給のバランスが崩壊し、大規模停電に陥った。

 サンチェス首相は28日夜、記者会見で停電の原因については「まだ断定できない。どんな仮説も排除できない」と述べた。

 ポルトガルでもリスボンの空港で欠航が相次ぐなどの影響が出た。【ブリュッセル岡大介】

毎日新聞

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