カーター元米大統領国葬 「慈悲を愛し、謙虚に」 バイデン氏ら追悼

2025/01/10 08:48 

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 2024年12月29日に100歳で死去したジミー・カーター元米大統領(民主党)の国葬が9日、首都ワシントンのワシントン大聖堂で執り行われた。バイデン大統領(民主党)や今月20日に就任するトランプ次期大統領(共和党)をはじめ国内外の要人が参列し、第39代大統領の功績をたたえ、死を悼んだ。

 カーター氏のひつぎは9日午前、前々日から安置されていた連邦議会議事堂からワシントン大聖堂へ移送された。弔辞に立ったバイデン氏は、カーター氏の最大の特徴は「人格」であったと強調し、「ジミー・カーターは正しく物事を行い、慈悲を愛し、謙虚に歩んだ」などとたたえた。バイデン氏は、カーター氏が大統領選への立候補を表明した際にいち早く支持を表明した上院議員の一人であり、親交の深さから家族の依頼で弔辞を述べた。

 このほか、カーター氏と関係が深かった故人2人が生前に準備していたカーター氏への弔辞が、その家族によって読み上げられた。1976年大統領選でカーター氏と争って敗れたものの、その後家族ぐるみで友人となったフォード大統領(共和党)と、カーター政権を支えたモンデール副大統領(民主党)だ。

 会場には、バイデン氏やトランプ氏に加え、クリントン氏▽ブッシュ氏(子)▽オバマ氏――の生存する米大統領経験者全員が参列。国外からは英国のエドワード王子、先日辞意を表明したカナダのトルドー首相らが出席した。日本からは菅義偉元首相が参列した。

 国葬の後、カーター氏の遺体は故郷の南部ジョージア州に戻った。23年に96歳で死去したロザリン夫人の隣に埋葬される。カーター氏の自宅は、ジミー・カーター国立歴史公園の一部として将来一般公開されるという。

 米国はこの日、バイデン氏が「国民追悼の日」に指定したことから、連邦政府の庁舎は閉鎖され、ニューヨーク証券取引所は休場となった。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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