米長期金利、一時3年ぶり5%台 インフレと「バラマキ」に懸念

2026/09/15 10:12 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 14日のニューヨーク債券市場で、長期金利の指標となる米10年物国債利回りが上昇(債券価格は下落)し、節目の5%を一時上回った。5%台を付けるのは2023年以来約3年ぶり。足元の原油価格高騰に伴う物価上昇(インフレ)や米国の財政悪化が懸念され、債券売りが広がった。

 産油国サウジアラビアを横断するパイプラインの一時停止を受け、14日の米原油先物相場は指標の米国産標準油種(WTI)が一時1バレル=104ドル台後半を付けた。米国では記録的なガソリン高が再燃しているほか、トラックや船舶の燃料として利用される軽油の店頭価格が過去最高値を連日更新。インフレ圧力が一段と強まっている。

 トランプ大統領が9日表明した成人1人当たり5000ドル(約77万円)の「配当金」が更なる財政懸念を招いている面もある。米10年債利回りは一時5・01%まで上昇した。

 10年債利回りは今年初めに4・1%台だったが、2月の米イランの戦闘開始後に上昇基調が続いている。中東情勢の正常化が見込めない中、米金利上昇に歯止めがかかりにくくなっている。米CNBCによると、5・02%を超えると、金融危機前の07年以来、約19年ぶりの高水準となる。

 米長期金利の上昇は日本などの債券市場に波及する可能性がある。米国内では住宅ローンなど各種の金利を押し上げる。企業は借り入れコスト増大で経営負担が膨らむ。堅調な株式市場にも重しとなる。

 こうした中、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制に向け、15、16日に開く会合で3年2カ月ぶりの利上げを決定すると見込む声が大勢を占めている。市場の利上げ予想は14日時点で9割超に上っている。【ワシントン浅川大樹】

毎日新聞

経済

経済一覧>

注目の情報