<経済プラス>ベルギーが原発国有化検討 公的関与強化は欧州全体、日本でも

2026/09/07 17:01 

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 ベルギーが原発の国有化の検討に入っている。ロシアのウクライナへの全面侵攻などが背景にあるが、原発への公的関与の強化は、欧州全体に広がり、日本にも及んでいる。

 原発は、発電時に温室効果ガスを出さないことや、燃料のウランが少量でも大量の電力を生み出せることから、気候変動対策やエネルギー安全保障確保の両面から欧州で再評価されつつある。

 ただ、2011年の東京電力福島第1原発事故を受けて安全対策が強化されたことで、初期費用がさらに巨額化した。建設期間も延びており、完成にこぎつけて運転開始したとしても、費用回収できるか見通しにくくなっており、欧米や日本では「投資のリスクが高すぎる」と敬遠され、資金調達が難しくなった。

 これに対し、中国やロシアは、政府が有利な条件の融資を含めて全面的に後押しして国内外で新増設の実績を積み上げている。

 そこで欧州連合(EU)は、原発が生み出した電力価格が下落しても一定水準の収入を確保できる制度を整備し、資金回収を見通しやすくした。ベルギーのドール原発4号機とティアンジュ原発3号機の稼働延長にもこの制度は適用されている。

 国有化を巡っては、ベルギーに先立ち原発大国フランスは23年、巨額の債務を抱えるフランス電力(EDF)を国有化した。

 ベルギーのルーバン・カトリック大(UCL)のトマ・パルドゥン教授は建設や運営に長期的な計画や投資判断が求められることから、「教育や医療と同じく、原発は『公的』にしておくべき存在なのだろう」との見方を示す。

 政府が原発回帰を鮮明にする日本では今年7月、原発の新増設への公的融資を可能にする改正電気事業法が成立した。ただ電力会社の返済が滞った場合、電気料金が値上がりする可能性が残る。

 福島事故を起こした東電に対しては、原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じて1兆円出資し実質国有化している。廃炉や賠償費用は東電が原則自己資金で捻出する仕組みだが、一部は電気料金に上乗せされている。【ブリュッセル岡大介】

毎日新聞

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