米貿易裁、全世界対象の10%関税は「違法」 看板政策に再びNO
米国際貿易裁判所は7日、トランプ政権が2月に新たに導入した全世界対象の10%の関税を違法とする判決を出した。「相互関税」を無効とする米最高裁の判決を受け、政権側が当面の代替措置として講じたが、司法が再び「NO」を突きつけた。看板政策である高関税措置の正当性が揺らぎ、トランプ政権にとって打撃となる。
10%の関税は、通商法122条を発動の根拠としている。条文では「大規模かつ深刻な」国際収支の赤字などに対処するため、大統領の裁量で最大15%の関税を最長150日間限定で課す権限を認めているが、米国の憲法は関税を課す権限を議会に与えている。議会が関与しない形でこの条文を適用して関税を発動することは、これまで一度もなかった。
米メディアなどによると、貿易裁は判決で、政府側は条文で記された「国際収支の赤字」の代わりに「貿易赤字」と置き換えて10%の関税を発動したと指摘。国際収支は貿易収支のほか、資本の行き来なども含むため、「赤字」とは特定できず、大統領の権限を逸脱していると判断した。
トランプ大統領は7日夕、今回の判決について記者団に対し、「何も驚かない。別のやり方で進める」と主張した。政権側は判決を不服として控訴するとみられるが、認められなくても別の法律を適用するなどとして同様の関税措置を続ける姿勢を示した。
ただ、最終的に政権側が敗訴した場合、徴収した関税は企業側に返還しなければならない。トランプ政権は既に、相互関税などの名目で徴収した総額1660億ドル(約26兆円)の返還手続きを進めている。
一方、自動車や鉄鋼・アルミニウムなどの分野別関税は別の法律の条文を根拠に導入されており、今回の司法判断は影響しない見通しだ。【ワシントン浅川大樹】
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