ホルムズ海峡通過の「出光丸」 通航料は払わず 日本人3人乗船

2026/04/29 18:06 

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 石油元売り大手の出光興産の原油タンカー「出光丸」が28日、ホルムズ海峡を通過したことが分かった。日本政府が交渉した結果とみられる。サウジアラビア産の原油200万バレルを積んで名古屋港に向かっており、5月中旬に到着する見通し。政府関係者によると、イランに対し通航料は払っていないという。

 米国とイスラエルがイランを攻撃して以降、日本の原油タンカーが海峡を通過するのは初めて。日本関係船舶としては4隻目。

 船舶のデータを提供する「マリントラフィック」の位置情報で、日本時間28日午後4~6時ごろにホルムズ海峡を通過したことが分かった。出光丸はパナマ船籍で、出光興産傘下の出光タンカーが運航している。

 イランの地元メディアによると、出光丸は3月初旬にサウジアラビアで原油200万バレルを積んだ。ホルムズ海峡通過の許可をイラン当局から得たという。

 高市早苗首相は29日、X(ツイッター)への投稿で、出光丸には3人の日本人乗組員が乗船していると公表。「残りの日本関係船舶を含め、全ての国の船舶がホルムズ海峡を通過できるよう、引き続きイラン側に働きかける」とした。

 政府関係者によると、ホルムズ海峡の事実上の封鎖後、日本人の乗船した船が海峡を通過するのは初めて。

 在日イラン大使館は29日未明、1953年に出光興産が英海軍の監視の目をかいくぐって秘密裏にイラン産原油を買い付けた「日章丸事件」についてXに投稿。「両国間の長きにわたる友情の証しであり、そのレガシー(遺産)は今日においても極めて大きな意義を持ち続けている」とした。

 イランによる事実上のホルムズ海峡封鎖から約1カ月後の4月3日、商船三井がオマーン企業と共同保有する液化天然ガス(LNG)船が日本関係船舶として初めて海峡を通過した。4日と6日には、同社関連のインドに向かうインド船籍の液化石油ガス(LPG)タンカーも1隻ずつ通過していた。

 出光丸のホルムズ海峡通過で、中東情勢悪化後、ペルシャ湾内に留め置かれている日本関係船舶は41隻となった。

 外務省は29日、出光丸の3人とは別に、ペルシャ湾の船から日本人乗組員1人が下船し、帰国したと発表した。これでペルシャ湾の日本関係船舶に残る日本人は12人となった。【中島昭浩、田所柳子】

毎日新聞

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