「放置竹林」を食べて解決 北九州市の大学生考案「竹炭かりんとう」
「放置竹林」の増加による竹害に関心を高めてもらおうと、北九州市の九州栄養福祉大の学生が考案した「竹炭かりんとう」が人気を集めている。地元企業の全面協力を受け、飽きの来ない味わいに仕上がった。価格も手ごろで、学生らは“黒い名物”の誕生に期待を寄せる。
放置竹林は全国的に問題となっている。中でも北九州市は森林が多く、繁殖力の高い竹が広葉樹の森を浸食して、生態系の破壊や土砂災害などを引き起こすと懸念されている。管理されていない竹林は市内の竹林の9割に当たる約1700ヘクタールに及ぶ。
そんな中、九州栄養福祉大の食物栄養学科に所属する2~3年生を中心に、食を通じた地元の課題解決を目指すプロジェクトが始動し、放置竹林の問題に取り組むことになった。市内産の竹炭を食品開発に活用できないかと考え、試行錯誤の末にたどりついたのが、かりんとうだった。
商品開発は大学を中心に、市内の和菓子店「菓匠きくたろう」の運営会社が製造を担当。パッケージデザインは航空会社のスターフライヤーが監修し、ケーブルテレビ大手のJ:COM(東京)が費用支援やPRを担った。
2024年秋から商品化に着手し、粉末状の竹炭を生地に練り込み、「めんたい味」と「トマト味」を開発。軽い辛みと、さっぱりとした酸味が特徴。商品名は「JET BLACK(ジェット・ブラック)」。スターフライヤーのイメージカラーに着想を得て、黒と白の包装にした。
包装の設計を担当した1年の矢羽田成(なるみ)さん(18)は「パッケージが定まるまで半年かかった。どうすれば商品を手に取ってもらえるかを学ばせてもらった」。同学年の平松ゆうさん(19)も「企業からOKがなかなかもらえず大変だったが、実りの多い取り組みだった」と振り返る。
九州栄養福祉大では、かりんとう以外にも食品開発に取り組むが、成功に至るのはごくわずか。室井由起子准教授は「商品化は学生たちの自信につながる。地元の課題に向き合う契機になれば」と話す。かりんとうは1袋(20グラム入り)200円(税込み)で北九州空港や菓匠きくたろうの店舗、井筒屋などで販売している。
竹炭を使った黒い菓子はほかにもある。旧官営八幡製鉄所の従業員向けに誕生した「くろがね堅パン」を製造するスピナ(北九州市)は、創業70周年を記念して竹炭入りの「鐵(くろがね)」(オープン価格)を販売している。
堅パンは災害時の保存食になり、水分を含ませてオーブンで温めると柔らかくなる。「鐵」を含めて八幡製鉄所内の工場で今も製造しており、スピナの担当者は「鉄をイメージした黒色で、製鉄所の関係者に人気が高い。竹害解消の一助になれば」と話している。【橋本勝利】
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