非接触IC「フェリカ」に脆弱性 交通系ICや電子マネーで使用

2025/08/28 21:00 

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 交通系ICカードや電子マネーなどに使われている非接触IC技術「FeliCa(フェリカ)」にセキュリティー上の脆弱(ぜいじゃく)性があることが28日、明らかになった。第三者によるデータの読み取りや改ざんの恐れがある。

 セキュリティー企業アンノウン・テクノロジーズ(東京)の切敷裕大氏らが6月、フェリカの暗号システムを突破し、セキュリティーを管理する暗号鍵を取り出せることを確認。経済産業省が所管する独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」を通じて7月に開発元のソニーに報告した。

 ソニーによると、指摘を受けて社内で検証した結果、累計18億個以上出荷しているチップのうち、2017年以前に出荷した一部のチップについて、データの読み取りや改ざんが実行される可能性があることを確認した。現時点で被害は確認されていないという。

 フェリカは企業や省庁、大学の身分証や入館証などにも広く使われている。ソニーは、フェリカを利用するサービスの安全性について「チップ自体のセキュリティーに加えて、サービスごとにシステム全体で構築されている」と説明。各サービスを引き続き利用して問題ないとしている。

 このうち交通系ICカード「スイカ」や、電子マネー「楽天Edy」「ワオン」「ナナコ」などは、各サービスの運営事業者が、独自のセキュリティー対策を実施しており安全性に問題はないとのコメントを出した。【成澤隼人】

毎日新聞

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