FRB議長、9月の利下げ示唆 NY市場で株価上昇、円高・ドル安進む

2025/08/23 00:18 

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 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は22日、次回9月会合での利下げを示唆した。実際に利下げすれば2024年12月以来、6会合ぶり。早期利下げへの期待でニューヨーク市場では株価が上昇し、円高・ドル安が進んだ。

 米西部ワイオミング州ジャクソンホールで開かれた経済シンポジウムでの講演で、トランプ米政権の大規模関税による物価上昇(インフレ)再燃と雇用下振れの両方のリスクに言及し、「政策スタンスの調整を正当化する可能性がある」と述べた。「政策スタンスの変更を慎重に進めることが可能だ」とも述べたが、市場は9月会合での利下げを示唆したと受け止めた。

 FRBは24年9月、記録的なインフレが沈静化に向かったと判断し、4年半ぶりとなる利下げを実施。3会合連続の利下げで政策金利の誘導目標を4・25~4・5%にまで引き下げた。

 だが、25年1月に発足した第2次トランプ政権は大規模な関税引き上げを実施した。FRBは関税引き上げがインフレを再燃させる恐れがあるとみて、1月から5会合連続で金利を据え置いていた。

 ただ、企業は関税コストを小売り価格に転嫁するのを控えており、まだ目立ったインフレは起きていない。一方、経済の減速で雇用環境が悪化する懸念が浮上しており、市場では「景気下支えのためFRBが9月会合で追加利下げに踏み切る」との見方が出ていた。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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