コメ安定供給へ「革新的新品種」の開発推進 農水省の概算要求案

2025/08/20 17:49 

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 農林水産省は20日、2026年度当初予算概算要求の重点事項(農林関係)案を自民党の農林部会に提示した。「米の需要に応じた増産実現予算」のタイトルで、コメ増産関連事業の充実を求めた。異常な暑さでも収穫量が減らないコメの安定供給を目指し、高温耐性や多収性を持った品種への転換を支援しつつ「革新的新品種」の開発推進を盛り込んだ。

 コメ政策関連では、農地の大区画化や、各都道府県にある「農地中間管理機構」(農地バンク)の機能を強化し、農地の集約化を加速させる事業を進める。災害などで収入が落ちた生産者を支援する「収入保険制度」の普及支援や、環境保全に配慮した水田に対する新たな直接支払い交付金の制度設計なども進めるとした。

 また海外依存度の高い作物の国産転換を促すため、主食用米から麦や大豆、米粉用米などへの転作を支援する「水田活用の直接支払い交付金」を引き続き計上する見込み。

 昨年来のコメ不足問題などを踏まえ、民間在庫の実態調査や不測時の食料需給力シミュレーション、世界の食料需要動向の調査なども実施するとした。概算要求は8月末までに財務省に提出する。【中津川甫】

毎日新聞

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