アイリスオーヤマ、緑茶事業に参入 吉沢亮さん「侮れない」と感心

2025/06/02 20:18 

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 生活用品大手のアイリスオーヤマ(仙台市)は2日、緑茶飲料事業に参入すると発表した。この日あった新商品発表会では、ブランドアンバサダーを務めている俳優の吉沢亮さんが登場し、新商品について「癖がないので、朝の寝起きにもおいしく味わえる」とアピールした。

 アイリスは東日本大震災を受け、2013年に精米、15年からパックご飯事業に参入。21年からは、災害時の迅速な水の供給を目的に飲料水の製造を始めた。

 これら食品事業の売上高は24年に420億円と、新型コロナウイルス禍前の19年比で約3倍に成長し、同社の主力事業の一つになっている。

 一方、総務省の家計調査によると、1世帯当たりのペットボトルの茶飲料の年間支出金額は24年に8648円で、アイリスが食品事業に参入した13年比で約43%増加していることから、緑茶に商機を見いだしたという。

 事業参入に伴い、150億円の設備投資を計画する。すでに佐賀県鳥栖市の食品工場には緑茶の生産ラインを新設し、8月には埼玉県深谷市の工場でも緑茶の生産を始める。京都府舞鶴市で26年に完成する新工場でも緑茶の生産を予定し、発売から1年間で70億円の売上高を目指している。

 2日発表されたのは「アイリスのお茶 綠」。「朝に飲むなら、アイリスのお茶」というコンセプトのもと、低温で密閉した状態で抽出することにより渋みと苦みを抑え、茶の粒子を除去することで、さっぱりとした味わいに仕上げた。

 アイリスの担当者は「約3年間研究し、緑茶の風味を残しつつ、すっきりとした商品を開発した。朝に緑茶を飲むという新しい習慣を提案したい」と話した。

 吉沢さんは、2日から全国放映するCMで、究極の茶道を追求する伝説の茶人「お綠さん」を演じた。これまでもアイリスのCMに出演しており「普段はコミカルに、どれだけ現場のスタッフさんたちを笑わせるかに命を懸けて撮影している部分がある」と話したが、今回の撮影は「全く違うテイストで、和室の素晴らしい空間の中、アイリスさんの現場でこんな静寂でいいのかという不安もありつつ、でもすごく楽しく新鮮な気持ちでやらせてもらった」と振り返った。

 発表会では、早稲田大名誉教授で、時間栄養学専門家の柴田重信さんから、朝に緑茶を飲むメリットについて講義があった。体の吸収率が高い朝に、カテキンが含まれる緑茶を飲むことで、紫外線やストレスによる細胞の酸化を防ぐ効果があるという。

 吉沢さんは「ストレスに効くなんて、まさかすぎた。朝緑茶、侮れないですね」と感心。「変な苦みもなく、ついついごくごく飲んでしまう。年代問わず、いろんな方に飲んでもらいたい」と呼びかけた。【鴨田玲奈】

毎日新聞

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