雨が味方? 「運が良かった」佐野日大バックホーム 夏の甲子園

2026/08/12 20:20 

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 ◇高校野球・夏の甲子園2回戦(12日)

 ◇○佐野日大(栃木)3―1神村学園(鹿児島)●

 シュルシュルと水しぶきを上げて近づいてくるボールを前に、佐野日大の左翼手・杉田侑也は思った。「これは際どいプレーになるな……」

 状況を整理する。

 三回の神村学園の攻撃。その直前に佐野日大が2点を先制していた。1死二塁で3番の梶山侑孜が右打席に立った。

 試合前から降り続く弱い雨が芝をぬらす。「グローブが湿気で油っぽくなってしまって」。杉田は不安を拭うようにポケットの滑り止めを触った。

 梶山の打球は三遊間を抜けた。

 二塁走者・今井滉士郎は打った瞬間に本塁突入を決めた。「外野の位置を見て、ちょっと深いなと」。強打者の梶山だからこそ、杉田は定位置より2歩下がっていた。

 「雨でボールが滑りやすい、ギリギリなら回すぞと言っていた」と三塁ランナーコーチの藤田喜晴も腕をぐるぐると回した。

 果たして、杉田の送球はノーバウンドで捕手の元へピタリ。生還を阻止するビッグプレーとなった。

 「たまたまというか、運が良かったんです」。杉田は好プレーをしたとは思えない苦笑いを浮かべた。それもそのはず。狙いはワンバウンドでの低い送球。雨で滑った分、抜けてしまった。それが功を奏したというわけだ。元々内野手で外野転向は昨秋から。チーム関係者も目を丸くした。

 一方の藤田は「ナイスボールとしかいいようがなかった」と言いつつ「(走者を)止めても1死一、三塁。スクイズとかで、1点が入れられたかも」。ミスから先制されただけに焦りもあった。

 強豪同士の勝敗を分けるのはわずかな差。そして時の運。細部を制し、佐野日大は29年ぶりの3回戦進出を決めた。【生野貴紀】

毎日新聞

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