プロ野球・巨人の元監督で６月３日に８９歳で亡くなった長嶋茂雄さんの追悼試合が１６日、東京ドームで行われた。長嶋さんと「ＯＮコンビ」を組んだソフトバンク球団会長の王貞治さん（８５）、長嶋さんの指導を受けて米大リーグでも活躍した松井秀喜さん（５１）らが試合前の「セレモニアルピッチ（始球式）」に登場した。

　この日の阪神戦を「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」と銘打ち、実施した。巨人の選手らは長嶋さんが選手、監督時代につけた背番号「３」のユニホームを着用した。

　始球式では、堀内恒夫さん（７７）がマウンドにボールを届け、左打席に王さん、右打席に原辰徳さん（６７）が立った。マウンドに上がった松井さんはボールを持った右手を天に向かって高く掲げてから投球し、球場全体が拍手に包まれた。

　捕手は阿部慎之助監督（４６）、球審は高橋由伸さん（５０）が担い、「ミスタープロ野球」との特別な一日に花を添えた。

　松井さんは「両打席に大レジェンドがいたので、久しぶりにびびりました。監督（長嶋さん）が見守ってくれたんじゃないですかね。（ボールを天に掲げたのは）『監督、投げますね』って。常にファンのみなさんに向いていた方。監督が一番喜んでいると思います」と笑顔で振り返った。

　王さんは「私ももちろん、みなさんが待ちに待った日。日本全国で、今このときを、みなさんがすごく盛り上げてくれたような感じで、私もうれしいです」と感慨深げだった。【牧野大輔、荻野公一】