長嶋さんへ巨人が連敗脱する弔い星 「愛弟子」丸佳浩が今季1号

2025/06/07 20:14 

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 ◇○巨人2―0楽天●(7日・東京ドーム)

 まだかまだかと見守っていただろう「ミスタープロ野球」もきっと笑顔に違いない。

 3日に亡くなった元監督の長嶋茂雄さんに、5連敗中だった巨人がようやく弔い星をささげた。

 重苦しい空気を切り裂く快音が、東京ドームに響いた。

 0―0で迎えた六回2死。増田陸のソロで待望の先制点をたたき出すと、球場の興奮そのままに左打席に立ったのは、代打の丸佳浩だった。

 2球目、外角の直球を強振すると、白球は大きな弧を描きながら右中間へ。その先には、長嶋さんの背番号「3」が記された、ドームのユニホームプレートがあった。

 貴重な追加点となるソロは、自身今季初の本塁打となり「(増田)陸が打ってくれた。僕もそれに続けた」と納得の表情で振り返った。

 長嶋さんの死去後、丸の脳裏によみがえったのは、4年前の記憶だった。

 不振で2軍に降格した際、ジャイアンツ球場に長嶋さんが訪れた。

 「おなかにしっかり力を入れて、体を真っすぐ」

 アドバイスをもらうと復調し、シーズンで23本塁打を放った。今でも「あの時に教えていただいたことを、継続していきたい」と、金言を心にしっかりと刻んでいる。

 中盤戦に入ったシーズンは現在4位。苦しみながらも、長嶋さんへまずは良い報告を届け、阿部慎之助監督も「満足しちゃいけない。まだまだこれから」と気を引き締める。

 頂点という最高の報告を届けてこそ、本当の弔いとなるだろう。

 「勝つ!勝つ!勝つ!」。長嶋さんの熱い思いを胸に、「愛弟子」たちは戦う。【牧野大輔】

毎日新聞

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