◇○楽天２―０巨人●（６日・東京ドーム）

　重くのしかかる勝利への重圧か。今季ワーストの５連敗を喫した巨人。３日に元監督の長嶋茂雄さんの訃報が伝えられてから３連敗と、弔いの白星が届けられていない。

　九回裏２死。巨人の代打・丸佳浩があっさりと３球三振に倒れると、４万人が詰めかけた東京ドームが、ため息に包まれた。その空気を背にベンチ裏へと引き揚げる選手たちも、ただ下を向くしかなかった。

　本拠地に戻り迎えた一戦。試合前には長嶋さんを追悼するセレモニーも行われ、選手たちはユニホームの左胸に長嶋さんの背番号で、球団の永久欠番である「３」をつけて臨んだ。

　投手陣が９安打を浴びながら２失点で踏ん張った一方で、打線は散発４安打だった。主力の岡本和真らが不在とはいえ、長嶋さんの訃報後、３試合でわずか４得点はあまりにもさみしい。

　阿部慎之助監督は「つなぐ気持ちを持ってやるしかない。みんな必死に勝とうと思ってやっているが、打てないイコール技術が無い。でも、使っているのは僕ですから」と声を落とした。

　この土日を終えれば、再びチームは敵地で６連戦が待っている。

　「（長嶋さんが）『一つ勝つのは難しいよ』って言ってくださっているのかもしれないですよね。そう思ってやります」。阿部監督は試合後、左胸に目をやりながらポツリ。

　「ミスタープロ野球」に良い報告を届けるためにも、悪い流れを変えたい。【牧野大輔】