同立戦か、立同戦か 名門私大の負けられない戦い 負ければ「罰」も

2025/05/28 07:00 

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 京都の名門私大同士のプライドをかけた、絶対に負けられない戦いが始まった。

 立命館大と同志社大の体育会本部は今年、各部の結果で年間の成績を競う「総合定期戦」をスタートさせた。野球部やラグビー部など、個別に「同立戦」「立同戦」と互いに呼称して試合を盛り上げることはあったが、総合戦は1995年以来30年ぶり。しかも負けた方には、ある「罰」を科すことになった。

 今年は、同志社大が創立150周年、立命館大は学園創立125周年の節目にあたり、両体育会本部は盛り上げるためのイベントを昨年末から模索。その中で、同じ関西の私大「関関同立」の関西学院大と関西大が、「総合関関戦」を毎年実施し通算成績を競い合っていることから、同志社大と立命館大でも同じことができるのでは、と企画した。準備を進める中で、過去に81~95年まで15回、総合戦をしていたこともわかった。

 総合戦は、その年の1~12月で各部の直接対決の成績を集計する。ポイント制で、勝利は3点、引き分けは1点。硬式野球、サッカー、アメリカンフットボール、ラグビーの4競技は「集客強化試合」としてポイントを2倍にする。今年参加するのは48競技の各部。ワンダーフォーゲル部や山岳部、合気道部など勝敗を決めにくい部も参加しているが、その場合は初めから「引き分け」扱いにした。

 負けた方に待ち受ける罰とは――。それは、総合定期戦を勝利した大学の呼び名で翌年はPRしなければならないということ。もし立命館大が負ければ、立命館大体育会本部は「同立戦」とPRする必要があり、逆に同志社大が負ければ、「立同戦」と呼ばなければならない。

 一般的には「同立戦」と呼ぶことが多い。それでも、立命館大体育会本部の笠井深智(みさと)・委員長(21)=法学部4年=は冗談めかしながら、「僕は『立同戦』としか呼んでいなかったので、大学に入ってカルチャーショックを受けた。こっちの方が言いやすいので、違和感があります。必ず勝って『言いやすい』呼び方をしてもらいたい」。その言葉を聞いた同志社大体育会本部の北原礼菜(らな)・委員長(21)=政策学部4年=は「えっ?」とけげんな表情をしつつも、「立命館大学さんは同じ京都の大学で高め合っていく仲間。この企画を通じ、両校の名をもっと全国に届けたい」とさらりと答えた。格闘技さながらの「トラッシュ・トーク」も繰り広げられた。

 22日には京都市北区の立命館大衣笠キャンパスで開会式が開催され、主務や主将ら各部の代表者ら130人ほどが一堂に会した。両大の応援団が記念演舞を披露し、最後には記念撮影をして、ともに盛り上げていくことを誓い合った。

 この日発表された集計では、現時点では24―12で同志社大がリード。だが、25、26日にあった硬式野球の関西学生野球リーグの直接対決では立命館大が勝利した。8月と10月にSNSで中間発表があり、12月には同志社大で閉会式を開き、最終結果を発表する。

 来年以降も継続するという総合定期戦。果たして来年は「同立戦」か「立同戦」か。伝統を背負う学生の戦いである。【大東祐紀】

毎日新聞

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