<もっと社会人野球>「恩返ししたい」 夏の甲子園制したスラッガーが社会人で再出発
電光掲示板に並ぶ2人の名前を見て、懐かしくなった野球ファンもいるだろう。その名は、小深田大地選手(22)と内倉一冴(かずさ)選手(23)だ。
2人は高校時代に履正社(大阪)でクリーンアップを組み、2019年夏の甲子園を制した優勝メンバーである。初の頂点での歓喜に沸いたあの時から6年。社会人の日本製鉄瀬戸内で再び同じユニホームに袖を通した。
履正社時代、ともに左打者で2年生の小深田選手は3番打者で、3年生だった内倉選手は5番打者。高卒でプロ野球の阪神に入団した3年生で4番の井上広大選手とともに不動の中軸を担った。
19年夏の甲子園決勝では、大会屈指の好投手で、ヤクルトからドラフト1位指名を受けた奥川恭伸投手を打ち崩した。
◇高校卒業後、別々の道へ
2人は高校卒業後、別々の道に進んだ。
小深田選手はドラフト4位指名でDeNAに入り、プロの道に進んだ。しかし、その後は思うような成績を残せずに育成契約となり、24年10月に戦力外通告を受けた。
内倉選手は龍谷大を経て日本製鉄瀬戸内に入り、今季2年目。誕生日が同じで、仲も良かったという小深田選手が戦力外通告を受けたことを昨年知ると、後輩の様子が気になり、すぐに電話をかけた。
「悔しいなあ。年齢も年齢だし、まだ(どこかで)野球はできるよ。切り替えていこう」
内倉選手はそう励ましたが、その時には同じチームでプレーすることになるとは思いもしなかった。
◇「恩返ししたい」
小深田選手は野球をやめるつもりはなかった。「野球に育ててもらって、(プレーで)いろんな方に恩返しがしたい」。その思いを周囲に伝えていた。
小深田選手の思いに応えたのが、出身である兵庫県姫路市を拠点とする日本製鉄瀬戸内だった。米田真樹監督はオファーへの思いをこう明かす。
「地元出身の選手ですし、彼自身がまだ続けたいという熱い思いを届けてくれた。そういったところが決め手となりました」
小深田選手も「やらしてください」と即答し、再び内倉選手と同じチームで野球をやることが決まった。
小深田選手は、プロで学んだトレーニングの方法や打席での心構えをチームメートに還元するなど、「久しぶりに野球を楽しめている」と正直な胸の内を語る。内倉選手も「いろいろなことを直接聞けるのはすごいプラス。体が大きくなって、バットが(力強く)振れるようになった」と感謝する。
◇早くも2本塁打
4月に開催された社会人野球のJABA京都大会で、内倉選手は「3番・三塁」、小深田選手は「6番・一塁」でスタメンに名を連ねた。小深田選手はリーグ戦の全3試合に出場し、2本塁打を放つなどさっそく存在感を示した。
高校時代、一塁だった内倉選手は三塁を守り、三塁を守っていた小深田選手は一塁に。守備位置は逆となって、内倉選手は「不思議な感じです」と笑う。
新天地で順調なスタートをきった小深田選手は「やっぱり、野球は優勝しないと楽しくないですからね」と実感を込めた。あの夏、甲子園で輝きを放った2人のスラッガーが再びタッグを組み、社会人野球でも頂点を目指す。【村上正】
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