◇○楽天４－３ソフトバンク●（１７日・みずほペイペイドーム）

　昨季のパ・リーグ覇者が苦しんでいる。ソフトバンクがホームで楽天に３連敗を喫して単独最下位へ転落。七回まで３点リードの展開でも勝ち切れず、鷹（たか）ファンからはため息が漏れた。

　両チーム無得点で迎えた六回にプロ１８年目のベテラン、中村晃の一発が飛び出して３点を先制した。勝ちパターンとしては理想的な展開だった。

　しかし、守り切れない。八回に３番手の松本裕樹が１点を失うと、九回には守護神のオスナが本塁打を含む４安打を浴びて３失点。一気に試合をひっくり返された。

　ソフトバンクは今季、長年の正捕手だった甲斐拓也が巨人へ移籍した。投手陣を引っ張ってきた捕手を失った影響からか、昨季好調を支えた中継ぎ陣の調子が上がらない。

　チーム防御率は１６日時点で３・６０とリーグワースト。開幕前に中継ぎ陣の戦力に自信を見せていた小久保裕紀監督も「自慢の中継ぎ陣がやられている」と話すほど状況は良くない。

　今季は開幕３連敗から始まり、ホームではわずか１勝。誰もが予想していなかったつまずきである。足早に球場を去るファンの姿にかつてないさみしさが漂った。【林大樹】