会計年度任用職員「雇い止め」訴訟 福岡・小郡市と女性が和解へ

2026/09/18 17:39 

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 福岡県小郡市の会計年度任用職員の女性(62)が、雇用継続を伝えられながら任用を打ち切られたのは期待権の侵害に当たるとして市に損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、市は18日、福岡高裁の和解案を受け入れる方針を明らかにした。女性も和解案を受け入れる意向で、10月8日に福岡高裁で和解が成立する見通し。

 市議会は18日、女性に支払う解決金を盛り込んだ補正予算案を可決した。解決金は150万円。市は一連の対応が不適切だったと認め、女性に遺憾の意を示す方針。

 1審・福岡地裁久留米支部判決などによると、女性は嘱託職員として小郡市に任用された2006年以降、非正規職員として勤務。20年4月からは1年ごとに契約を更新する会計年度任用職員となった。

 女性は23年1月、市の人事担当の幹部2人と面談した際、新年度の部署名や仕事内容の説明を受け、4月以降も任用が継続されると理解した。だが、同2月15日に文書で一方的に任用打ち切りを告げられた。

 1審判決は「(任用継続への)期待に合理性があっても、法的な利益として保護されない」として期待権の侵害を認めなかった一方、職員公募の締め切り翌日に打ち切りを伝えたことで「公募に応じる機会を喪失させた」と認定。市に5万5000円の損害賠償を命じた。市は判決を不服として控訴していた。

 加地良光市長は取材に「会計年度任用職員も大切な人材。認識の違いはあるが責任を問われたことはしっかり受け止め、(雇用について)より丁寧に説明しながら進めていきたい」と述べた。

 非正規公務員が雇い止めをされても、公務員には労働契約法が適用されないため、法を基にその不当性を争うことは難しい。それでも女性は一方的な雇用打ち切りに憤り、裁判を起こした。女性は「解決金と、事実上の謝罪を得たことは勝利だと理解している。今は安堵(あんど)の思い。泣き寝入りしなくて良かった」と話した。

 女性の代理人で、労働問題に詳しい安元隆治弁護士は「今後の非正規公務員の救済の前例とするためにも、高水準の解決金を引き出せたことは意義がある」と述べた。【山下智恵】

毎日新聞

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