在宅事件の可視化、25年度下半期で約1万3000件 最高検

2026/09/16 17:19 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 最高検は16日、容疑者を逮捕せず任意で捜査する「在宅事件」での取り調べの録音・録画(可視化)の実施状況を初めて公表した。2025年度下半期で1万3498件実施され、うち8割の1万865件が在宅か略式で起訴された。検察が必要と判断した事件を試行的に録音・録画したもので、在宅事件全体に占める実施割合は明らかにしていない。

 検察の独自捜査や裁判員裁判対象事件で逮捕・勾留された容疑者については、取り調べの全過程の録音・録画が19年の改正刑事訴訟法で義務付けられた。しかし、在宅事件は法律の対象外で、容疑者側の隠し録音から不適正な取り調べが発覚することがあった。

 最高検は25年3月に在宅事件での録音・録画の試行開始を全国に通知。容疑者の供述が立証上重要だったり、任意の取り調べ状況を巡って争いが生じる可能性があったりするケースを対象として例示していた。

 最高検によると、25年度の上半期は機材配備などの準備が必要だったため、25年10月以降から集計した。実施された1万3498件のほとんどで取り調べの全過程が録音・録画された。刑事処分の内訳は、在宅起訴9077件▽略式起訴1788件▽不起訴、家裁送致など2633件――だった。

 一方、容疑者が逮捕・勾留された「身柄事件」での録音・録画は10万8961件で、身柄事件全体(11万1344件)の9割超に上った。

 最高検の新河隆志・次長検事は「在宅事件でも供述が重要な事件や争いがある事件について、録音・録画によって供述の立証ができるようになる点でメリットが大きい。今後も積極的に実施する」としている。【五十嵐隆浩、後藤佳怜】

毎日新聞

社会

社会一覧>

注目の情報