「恐怖を感じる猛烈な雨」を上回る記録的豪雨、なぜ起きた?

2026/08/14 19:31 

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 初の「レベル5大雨特別警報」が発表された千葉県の豪雨では、冠水した道路で車に閉じ込められる被害が相次ぎ、都市部を襲う豪雨の恐ろしさが浮き彫りになった。なぜ記録的な大雨が降ったのか。そして、どう身を守ればいいのか。

 千葉市では14日午前10時までの24時間に367ミリの雨が降った。1976年の観測開始以来、同市で最も多い雨だ。1時間雨量でも13日午後7時前に観測史上1位となる115ミリを記録。気象庁は、1時間に50ミリ以上80ミリ未満の雨を「滝のような非常に激しい雨」、80ミリ以上で「息苦しくなるような圧迫感があり、恐怖を感じる猛烈な雨」と表現するが、それを上回る危険な雨だった。

 ◇重なった「条件」

 記録的な大雨は、次々と発生した積乱雲が長時間停滞したことで起きた。

 京都大防災研究所の伊藤耕介准教授(気象学)によると、千葉県には南東から暖かく湿った2種類の空気が流れ込んでいた。北から張り出した太平洋高気圧の縁を通るように流れ込む風が一つ。それに加えて、南鳥島付近をゆっくり進む台風17号の周りからも、水蒸気を含んだ強い風が吹きつけていたという。

 一方、東日本の上空には偏西風から分離した冷たい空気の渦「寒冷渦」があった。その影響で、上空6000メートルを氷点下6度の寒気が覆っていた。

 伊藤准教授は「暖かい空気は軽いので上に、冷たい空気は重いので下に行く。大気の上下運動が激しくなって、積乱雲が発達した可能性が考えられる」と説明する。

 さらに条件が重なる。気象庁によると、13日の日中、埼玉県や栃木県、茨城県など関東北部で雨が降り、地表付近の気温が下がっていた。北から冷たい風が吹き、そこに南から暖かい風が乗り上げ、上昇気流が生じた可能性もあるという。

 北からの風と南からの風がぶつかる辺りに積乱雲が発生。雨雲は北にも南にも動けず、ゆっくりと長時間、同じ場所に停滞したようだ。

 ◇下水の排水能力を超え

 この雨で、各地で浸水被害が相次いだ。

 池内幸司・東京大名誉教授(河川工学)は「河川があふれた場所も一部にあったが、大部分は『内水氾濫』による浸水だった」と指摘する。

 「氾濫」といえば、大雨で川の水が堤防を越えてあふれるイメージを抱きがちだ。そうしたタイプを「外水氾濫」と呼ぶ。

 これに対し、内水氾濫は短時間の集中豪雨に排水が追いつかず、地表に水があふれ出す現象を言う。下水道の排水能力を超える大雨の場合、河川から遠く離れた場所でも起こる。

 ◇避けるべき場所は

 地面がアスファルトやコンクリートで覆われた都市部では、降った雨が排水路に集中する。池内氏は「地方部だと田んぼなどに水がたまってすぐにはあふれないが、都市部は低い場所に一気に水が集まる。道路のアンダーパスなどは急激に水位が上昇する。絶対に避けてほしい」と語る。

 気象庁の統計によると、80年ごろと比べて、1時間に50ミリ以上の雨が降る頻度は約1・5倍に増加。同100ミリ以上の発生頻度は約2倍に増えている。池内氏は「地球温暖化に伴って局所的な集中豪雨の頻度が増え、強度も増している。今回のような被害は日本全国どこで起きてもおかしくない」と注意を促す。【信田真由美、垂水友里香】

毎日新聞

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