被爆体験者の手記集め 第60集記念号完成 「思い伝えていく」
被爆体験者の手記を集めた冊子「木の葉のように焼かれて」の第60集記念号が完成した。1964年から発刊を続ける新日本婦人の会広島県本部のメンバーが広島市内で会見し、「被爆体験者の思いを後世につなぎ、核兵器が廃絶される日まで冊子を出し続けていきたい」と語った。
冊子は編集委員12人が被爆者やその家族に手記を依頼するなどして製作した。今回は被爆者7人と家族2人の手記と、被爆者3人の聞き書きを収めた。
17歳の頃に爆心地から1・8キロ地点で被爆した90代男性は、当時の混乱した街の様子や自らの体調の変化を克明に描写し、「原爆を受けたら、こうなるんだということを(世の中に)知らせないといけない」とつづった。
核実験による放射性物質の汚染問題に関する映画作品を手がけた映画監督、伊東英朗さんらの特別寄稿も掲載した。
表紙画には広島を拠点に活動した反戦詩画人、四國五郎(1924~2014年)の代表作「殺されたわが子」を採用した。長男の光さんが「過去の戦争の歴史をあらためて学び、あの誤った道を二度と歩まぬよう、皆で声を上げ続けていきたい」と文章を寄せた。
同本部は「被爆体験者が少なくなる中、冊子を通じて手記や証言を記録する重要性は高まっている」とする。編集委員2人を新たに加えるなどして世代交代を図っているという。
30年以上、冊子の編集に携わる山野井恵子さん(75)=広島市安芸区=は「ここまで長く続けられたことが感慨深い。これからも被爆体験者の肉声や思いを伝えていく」と話した。
B5判78ページ。2300部作成し、1冊700円。購入申し込みは同本部(ファクス082・263・0447、メールshinfujin-hiroshima@nifty.com)。
同本部は60集の節目を記念し、28日午後1~4時、広島駅南口地下広場で被爆体験集の朗読会、原爆に関するパネル写真や絵の展示会を開く。【小林広大】
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