歴史教科書の用語数、削減を検討 文科省、暗記偏重から脱却
文部科学省は15日、学習指導要領の改定に向けて議論している中央教育審議会(文科相の諮問機関)の作業部会で、歴史の教科書で扱う用語数の削減を検討する方針を示した。主に高校の選択科目「日本史探究」や「世界史探究」を想定しており、大学入試を意識した暗記偏重の学習から脱却し、より探究的な学びの充実につなげたい考え。
取りまとめ案では、大学入試などの影響で「用語の暗記量の多寡により評価される風潮が根強くある」と指摘。特に中学高校ではそれぞれの教科書で内容が網羅的に記載されることで重複が発生し、教科書の分量を肥大化させる要因の一つとなっているとした。暗記中心ではなく、本質的な理解や探究的な学びが充実するよう教科書のあり方を大きく転換することで、定期試験での記述式問題の増加や、高校入試、大学入試の改善を促す。
文科省は今後、入試問題を分析するなどして課題を洗い出し、用語を整理するとともに、大学入試などの改善を促す方策についても検討する。中高の教科書編集に間に合うよう、2027年秋までに一定の方向性を出すとしている。
委員からは「教科書の内容を絞り込み、核となる事柄を深く学ぶことで結果として多くを学べる。大きな問いや論点を考える中でさまざまな知識が吸い上げられることが重要」といった意見の一方、「個性のある教科書が統一化されていくような方向で作用しないよう配慮することが必要だ」との注文も出た。「(教科書会社が)特色を出して用語を選んでいるというより、実際には入試に左右されている」として、大学入試改革を期待する声もあがった。【井川加菜美】
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