死者数「半減以上」に 政府、首都直下地震の緊急対策計画を改定
政府は12日、首都直下地震の緊急対策推進基本計画の改定を閣議決定した。最悪で死者約1万8000人、全壊・焼失する建物約40万棟と想定される被害を、今後10年間で半数以下に減らすと明記。この実現に向け、電気火災を防ぐ「感震ブレーカー」の設置率を現状の約20%から「おおむね設置」とする目標を定めた。
計画の改定は2015年以来で、掲げた減災目標の数は従来の47から4倍の189に増えた。被害が想定される1都9県309市区町村は、計画に沿って対策を進める。政府は毎年、目標の進捗(しんちょく)状況を確認する。
首都直下地震は30年以内に70%の確率で起きるとされる。政府は25年12月、社会情勢の変化を踏まえて12年ぶりに新たな被害想定を公表。今回はこの想定を前提に、被害を減らすための数値目標を盛り込んだ。
新たな計画では、死者数と全壊・焼失する建物について、従来の「おおむね半減」から「半減以上」に目標を高くした。犠牲者の7割を占める火災の対策として、揺れを感知すると電気を自動的に遮断する感震ブレーカーの設置率を対象自治体で100%に近づける。
首都圏の感震ブレーカーの設置率は約20%にとどまる。政府は、設置率が100%になれば、焼失棟数を72%減らせると試算している。住宅の耐震化にも引き続き取り組み、耐震性が不足する住宅はほぼ解消させる。著しく危険な密集市街地をなくすことも掲げた。
最大約83兆円に及ぶとされる経済的な被害を減らすため、企業の事業継続計画(BCP)の策定率を大企業で100%にすることを盛り込んだ。また、首都機能を維持するため、中央省庁で燃料油を使わない電源の100%確保も入れた。
高層マンションの対策も進める。避難所に住民が押し寄せて混乱するのを避けるため、政府は在宅避難を推奨。3日分以上の水や食料の100%備蓄を目指す。安全装置を備えたエレベーターの割合は、現状の48%から70%に引き上げる。
最大約840万人と推計される帰宅困難者への対応として、自治体に一時滞在施設の確保を求める。災害関連死の防止に向けては、全国の自治体が国際基準を満たす量のトイレやベッドなどを備蓄することを掲げた。【森田采花】
◇首都直下地震の主な減災の目標(今後10年間)
・最大約1万8000人の死者数を半分以上減らす
・最大約40万棟の全壊・焼失棟数を半分以上減らす
・1都9県で感震ブレーカーを「おおむね設置」
・企業の事業継続計画の策定率を大企業で100%
・家具の固定率を全国の家庭で100%
・3日分以上の水や食料の備蓄を全国で100%
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