再審見直し法案を閣議決定 検察抗告や証拠開示巡り国会論戦へ
政府は15日、再審制度を見直す刑事訴訟法改正案を閣議決定した。再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(抗告)を原則禁止する一方、例外的に認める余地を残す内容。現行法にルールがない再審請求審での証拠開示も制度化する。政府は今国会での成立を目指す。
再審制度は刑訴法が1948年に制定されてから一度も変わっていない。成立すれば長く欠陥が指摘されてきた冤罪(えんざい)救済手続きの転換点となる。
法案は首相が質疑に出席する「重要広範議案」の一つ。自民党の事前審査では検察官抗告の禁止に議論が集中したが、証拠開示などでも超党派議員連盟や日本弁護士連合会が掲げる内容と大きな隔たりがある。国会では幅広い論点で審議が進むとみられる。
改正案では、再審開始決定に対する検察官抗告を原則禁止する一方、「十分な根拠」がある場合は即時抗告や最高裁への特別抗告を可能とする。検察官抗告は再審が長期化する原因と批判されてきた。例外的に抗告する余地が残ることに、野党の中には全面禁止を求める声も上がっている。
再審請求審の証拠開示については、裁判所が「再審請求の理由と関連する証拠」について相当と認める時は検察官への提出命令を義務化する。検察も提出義務を負う。法案付則には「関連する証拠」の範囲が不当に狭くならないように留意しなければならないと記載した。
現行制度では証拠が開示されるかは裁判官の裁量によるところが大きく、日弁連は法律での制度化を求めてきた。ただし「関連する証拠」の捉え方によっては、開示される範囲が現在よりも狭くなるとして「国会審議で修正すべきだ」と主張している。
開示された証拠を再審手続きやその準備以外の目的で使用することを禁じる規定も設けた。通常審の手続きにもある規定で元被告側が違反した場合は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される。過去の再審無罪事件では支援者や報道機関への証拠提供が冤罪救済につながってきたことから、日弁連などは見直しを求めている。【岩本桜】
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