神宮外苑再開発、樹木伐採許可の取り消し認めず 東京地裁判決

2026/05/12 15:02 

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 東京・明治神宮外苑の再開発事業を巡り、新宿区が大量の樹木の伐採を許可したのは違法だとして、周辺住民ら82人が区に許可の取り消しや1人当たり1万1000円の慰謝料を求めた訴訟の判決で、東京地裁は12日、訴えを退けた。住民側は樹木の伐採により美しい風景や歴史的・文化的価値がある景観が失われると主張していた。

 再開発事業は、老朽化した神宮球場と秩父宮ラグビー場を場所を入れ替えて新設し、高さ185メートルと190メートルの超高層ビル2棟を建設する計画。事業主体の三井不動産などが既に着工し、2038年完了を見込んでいる。神宮外苑のシンボル「イチョウ並木」は伐採の対象になっていない。

 事業者側は23年2月、神宮第2球場の敷地内や建国記念文庫の森にある約3000本を伐採する計画を申請して許可された。しかし、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)の日本国内委員会が大量の伐採を問題視し、計画を見直すよう東京都に提言。市民団体などが反対運動を展開した。

 事業者側は24年9月、伐採対象を619本に減らす内容に見直し、区は変更を認めた。事業者は翌10月に伐採に着手した。

 住民側は訴訟で、一帯は都市計画法に基づく風致地区に指定され、景観維持の規制があるにもかかわらず、区が議会や住民側に意見を聞かずに規制を緩和したと主張。伐採を許可したことは「著しく妥当性を欠き、裁量権を逸脱して違法だ」と訴えた。

 これに対し、区側は規制緩和の要件に議会からの意見聴取などは含まれておらず、事業者の申請内容は伐採の判断基準を満たしていて適法だと反論していた。【安達恒太郎】

毎日新聞

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