就労支援金79億円を不正受給か 大阪市、絆HD側を刑事告訴

2026/05/01 18:16 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 大阪市にある福祉関連会社「絆ホールディングス(HD)」傘下の4事業所が障害者就労支援の加算金を不正受給していた問題で、大阪市は1日、約79億円を水増し請求していたとして、各事業所の代表や元代表ら計5人を詐欺容疑で大阪府警に刑事告訴したと明らかにした。告訴は4月30日付。

 不正受給が確認されたのは「就労移行支援体制加算」と呼ばれる加算金。障害者の雇用定着を目的としたもので、事業所の利用者が就職して半年以上働いた場合、自治体から事業所に支払われる仕組みだ。

 市によると、4事業所は2024年4月~26年1月に障害者1114人分の加算金を不正に請求し、市から約79億円を受け取った疑いがあるという。

 絆HDは「告訴の具体的内容を把握しておらず、コメントは差し控える」としている。

 絆HDは、障害者に働く場や訓練を提供する「就労継続支援A型事業所」を運営。4事業所は「36カ月プロジェクト」と称し、利用者を各事業所で半年間雇用した後に再び利用者に戻すことを繰り返していたという。この手法で障害者1人につき何度も請求を繰り返して加算金を受け取っていた。

 大阪市は3月に絆HD側への監査結果をまとめ、事業所による雇用と利用との切り替えは加算金を得る目的だったと結論づけた。そのうえで4事業所が市を含む76市町から、総額約150億円を受給していたと明らかにした。

 市は、市が支払った約79億円にペナルティー分を含む約110億円の返還を求めているが、期限を過ぎても支払われていない。絆HD側は処分を不服としており、取り消しを求める訴訟を大阪地裁に起こしている。

 市は4事業所の指定を5月1日付で取り消すと決定し、絆HD側は4月30日で事業所を閉鎖した。障害者約1000人が利用したり働いたりしていたとされ、市や国などが新たな利用先や就職先を探す支援をしている。【長沼辰哉、井手千夏】

毎日新聞

社会

社会一覧>

注目の情報