長生炭鉱の潜水調査、再開巡る議論を1年保留 ダイバー死亡受け

2026/04/28 19:17 

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 山口県宇部市の海底炭鉱「長生(ちょうせい)炭鉱」で2月、潜水調査中に台湾のダイバー1人が死亡した事故を受け、市民団体「長生炭鉱の水非常(みずひじょう)を歴史に刻む会」(刻む会)は28日、調査再開の議論を2027年2月まで見送る方針を示した。また、ダイバーの機材操作か判断ミスに事故原因があった可能性が高いとする海上保安庁の検証結果も明らかにした。

 長生炭鉱は戦時中の水没事故で朝鮮半島出身者を含む183人が死亡。刻む会が潜水調査をして遺骨収容を目指していた。

 事故を巡り、刻む会で「安全対策を強化して遺骨収容を進めるべきだ」との声がある一方、「再び死者が出たら刻む会は消滅する」とする慎重意見もあり、議論は紛糾。最終的には「1年間は喪に服したい」とする韓国側遺族の意向を尊重し、調査再開の議論を控えることにした。

 当面は収容した遺骨のDNA型鑑定などを進め、政府に回収を求める交渉に注力する。遺族が反対すれば潜水調査は再開しない。刻む会の井上洋子代表は「安全性を含めて総括する時間が必要と判断した。国にも責任を持ってもらう重要な局面を迎えている」と語った。

 刻む会によると、宇部海上保安署から27日、事故原因について「潜水機材に欠陥は認められず、高濃度の酸素状態が続いた結果、酸素中毒や意識喪失を引き起こして溺死につながった可能性が高い」とする説明があったという。【綿貫洋】

毎日新聞

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