ガソリンスタンド運営5社を独禁法違反容疑で告発 軽油カルテル
運送事業者など法人契約者向けの軽油販売を巡る価格カルテルを結んだとして、公正取引委員会は17日、石油元売り大手や総合商社の系列ガソリンスタンド(GS)を運営する法人5社を独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で検事総長に刑事告発した。現場で調整に当たった担当者ら個人の告発は見送った。東京地検特捜部は同日、5社を同法違反で起訴するとみられる。
軽油は大型車などの燃料に使われるが、燃料価格が上がれば物流コストに反映され、市民生活に影響を及ぼす恐れがある。公取委は、市場の公平性を大きく損なう事案として刑事告発が相当と判断した。
告発されたのは、法人としての東日本宇佐美(東京都)▽共栄石油(同)▽ENEOSウイング(名古屋市)▽エネクスフリート(大阪市)▽キタセキ(宮城県)――の5社。いずれも法人契約者向けにネットワーク化された「フリートSS(サービスステーション)」と呼ばれるGSを展開する。
告発容疑は、5社の営業担当者らが2024年10~12月ごろ東京都内の飲食店で会合を重ね、運送業者に給油カードを発行するなどして販売する軽油価格について、元売りに支払う手数料や仕入れ価格の上昇を転嫁するために1リットル当たり2~2・5円の引き上げを目標としたり、価格の引き下げ幅を調整したりして、競争を制限したとしている。市場規模は同時期の3カ月間で450億円を超えるという。
事件を巡っては、公取委が25年9月に独禁法違反容疑で今回告発した5社を含む8社を強制調査。公取委は5社以外にも違反行為をした社があったと明らかにしている。一部はカルテルを自主申告する「課徴金減免制度(リーニエンシー)」によって、刑事告発の対象から外れたとみられる。
公取委が検察当局に刑事告発をしたのは東京オリンピック・パラリンピックを巡る談合事件(23年2月)以来、約3年ぶり。独占禁止法は不当な取引制限をした場合は法人に5億円以下の罰金、個人に5年以下の懲役または500万円以下の罰金を科すと定める。【山田豊】
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