私立大・短大の運営法人3割が経営困難 物価高・人件費高騰で

2026/04/13 18:43 

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 全国の私立大学や短大などを運営する662の学校法人のうち、約3割にあたる207法人が経営困難な状態となっていることが13日、日本私立学校振興・共済事業団(私学事業団)の推計で判明した。2024年度決算をベースとした最新の分析。前年度の174法人から33法人増えており、物価高や人件費の高騰が主な要因とみられる。このうち自力再生が困難とされた法人は26あった。

 私学事業団は国の経常費補助金の対象法人について、教育活動における収支や外部負債、運用資産の状況など8指標を調べ、経営状態を4段階に分類している。

 「経営困難な状態(イエローゾーン)」とされたのは前年度比26増の181法人、「自力再生が極めて困難な状態(レッドゾーン)」とされたのは同7増の26法人だった。いずれも過去10年間で最多だった。

 「経営困難の予備的段階」とされたのは前年度比6減の176法人。「正常な状態」とされたのは279法人で、前年度より26減った。

 事業団の担当者は「18歳人口の減少は踊り場にある。少子化の影響というよりは支出の増加が要因とみられる」と推し量った。物価高による光熱費の増加や人件費の高騰など固定費によって全体的に経営状態の悪化傾向が続いていると指摘した。

 私立大には国内の大学生の約8割が在籍。保育や福祉などのエッセンシャルワーカー育成をはじめ、幅広い役割を担っている。経営が傾けば教職員の待遇や学生の教育環境に影響が出かねない。

 35年には18歳人口が急速な減少を始める「崖」の到来が予測されている。文部科学省の有識者会議は26年2月、大学進学者数が40年に約46万人となり21年比で3割近く減少するとの推計を示し、「相当数の法人が縮小や撤退を余儀なくされることが避けられない」として経営が厳しく教育の質が担保できない大学には早期の撤退判断を促すとした審議結果を取りまとめた。【斎藤文太郎】

毎日新聞

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