長野・佐久市職員の過労自死、公務災害認定 遺族は市を提訴へ
長野県佐久市職員の男性(当時51歳)が自死したのは長時間労働による心身の負荷が原因だったとして、地方公務員災害補償基金長野県支部審査会は公務災害と認めた。遺族側が6日、明らかにした。同基金県支部長は「喫煙のための離席があった」などとして過重労働を認めていなかった。
男性は市土木課に勤務していた小金澤昇さん。遺族によると、同課勤務となった2020年4月以降、災害による現場対応などで午後11時前に帰宅することがほとんどなく、就寝時も枕元に携帯電話を置いて対応に当たっていたという。22年度に入ってからは運転中の居眠りや物をなくすことも多くなり、同年5月に自死した。
3月9日付の審査会の裁決書などによると、県支部長は職場関係者の証言から喫煙などのための離席時間があったとして、1日当たり1時間減らして時間外労働を算出。公務災害の基準である「発症直前の2カ月間でおおむね月120時間以上の時間外労働」に満たないとして公務災害と認めなかった。
これに対し審査会は、関係者の証言には偏りもあり得るとして、裏付けとしては不十分と判断。その上で携帯電話の通信記録から休日夜間に現場対応していたなどとして、亡くなるまでの1カ月の時間外労働を県支部長の認定から26時間半多い約123時間、その前の1カ月は約127時間と算定し、公務災害に当たると判断した。
遺族側代理人の舩尾遼弁護士は「職場の証言を過大に評価して過労自死を認めなかったために、遺族が数年間救済されなかったのはあまりにもひどい」と指摘。代理人と共に記者会見した妻恵美理さんは「夫は亡くなる1カ月ぐらい前『仕事がつらく、自分はこのままじゃまずい』と言っていたのを覚えている。仕事を辞めさせてあげたかった」と話した。
遺族側は市を相手取り、労働時間を把握していなかった安全配慮義務違反があるなどとして、近く提訴する予定。【宇多川はるか】
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