天皇ご一家が福島を訪問 犠牲者悼み、海に向かって深く頭下げ
天皇、皇后両陛下と長女愛子さまは6日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から15年がたった福島県を訪問された。双葉町の「東日本大震災・原子力災害伝承館」で花を供え、犠牲者を悼んだ。被災者と懇談したご一家は「おつらい思いをされましたね」と気遣い、新たなコミュニティーづくりに奔走する活動をねぎらった。
愛子さまが福島入りするのは初めて。双葉町は事故で住民全員が避難を強いられた。ご一家は伝承館までの道中、住民が戻らない空き地や新しい工業団地が混在する一帯を車で進んだ。
到着後はまず、エントランスに設けられた供花台で、海の方向に向かって深く頭を下げた。伝承館のある地域が4メートルの高さまで浸水したとの説明を受けると、その高さを見上げて確かめ、うなずく場面もあった。
除染土を詰める黒いフレコンバッグの展示の前では、最終処分の場所が決まっていないとの説明に熱心に耳を傾けた。処分までに想定される運搬方法などについて質問を重ねていた。
その後、避難先から町に戻った住民らと交流した。JR双葉駅近くの新しい町営住宅で暮らす国分信一さん(76)は、帰還者や移住者が入った自主防災組織づくりに励んでいることを紹介。住民の増加につながってほしいと説明すると、天皇陛下は「コミュニティーが大切なんですね」と応じ「防災教育で一番大切なところはなんでしょうか」などと尋ねていた。
今回は災害の記憶や教訓を若い世代に伝えたいとする両陛下の意向を踏まえ、愛子さまが同行した。両陛下は「福島の人々の苦難を思い、復興に尽力されてきた方々への敬意の念を新たにしました」とする感想を公表した。
【山田奈緒】
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