三重県、南海トラフ地震の被害想定 死者5万人、8割は津波が原因

2026/03/30 20:17 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 南海トラフ地震の被害想定を再検討していた三重県が30日、その結果を発表した。理論上最大クラスのマグニチュード9・1の地震が冬の夜間に発生した場合、死者数が約5万人に上り、その80%以上が津波によるものだとした。建物被害は約22万2000棟。いずれも2013年度作成の想定と大きくは変わらなかった。

 今回の発表では、広範囲で5分以内に30センチ以上の津波が到達すると予測。南部沿岸は揺れから10分以内に1メートル、尾鷲と熊野の両市では3分で1メートルの津波が来るとしている。

 人的被害では、津波による要救助者や要捜索数などを新たに算定。津波で中高層階に取り残され、救助が必要になる人が約1万3000人、要捜索者は死傷者合わせて約4万3000人とした。

 また、25年度に国が想定した死者数約2万9000人との差異について、県は堤防の75%が沈下や津波が引く際の波で大きく損壊するという見立てのためだと説明した。

 一方、建物被害では、揺れによる全壊や焼失の被害が約70%を占めた。半壊は約18万8000棟で、いずれも国の想定より下回った。県は、耐震性の弱い建物の除去や建て替えが進んだことが要因としている。

 12年度ぶりとなる今回の被害想定は、この間の地震災害の教訓や地域性を踏まえて作成された。有識者として検討会議に加わった名古屋大の福和伸夫名誉教授は「自治体の被害では、南部では死者率が5割を超えたり、北部では面積の6割が浸水したりするなどの想定が示された。自分の命を守ることを考えてほしい」と話した。

 一見勝之知事は幹部らで作る本部会議で「思いのほか被害想定が大きい。今まで以上に対策を進める必要がある」と話した。【下村恵美】

毎日新聞

社会

社会一覧>

注目の情報