熊本市長「住民に誠実な説明を」 長射程ミサイル、31日に配備

2026/03/09 19:44 

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 防衛省九州防衛局は9日、有事の際の「反撃能力」(敵基地攻撃能力)となる長射程ミサイルを31日に陸上自衛隊健軍駐屯地(熊本市東区)に配備すると発表した。9日未明にはミサイル発射に使う関連機材などを駐屯地に搬入した。2022年末改定の安全保障関連3文書で明記した反撃能力の保有が具体化する。

 ◇機材搬入「事前連絡なし」

 配備するのは地上発射型の国産ミサイル「12式地対艦誘導弾」を改良した「能力向上型」で、射程は約1000キロ。中国東部沿岸や北朝鮮のほぼ全域を射程に収める。

 関連機材を載せた車両は7日に静岡県の陸自富士駐屯地を出発し、9日未明に健軍駐屯地に到着。午前0時15分過ぎ、荷台をシートで覆うなどした複数の車両が次々と駐屯地に入った。

 駐屯地前には配備に反対する市民らが搬入を前に集まり、「長射程ミサイル配備撤回」「反 軍拡」などと書かれた横断幕やプラカードを掲げた。近くの住民らでつくる「STOP!長射程ミサイル・県民の会」の山下雅彦代表(東海大名誉教授)は「説明責任を果たさない、住民への向き合い方が、不意打ち的な夜更けの搬入に表れている」と憤りをあらわにした。

 熊本県の木村敬知事や熊本市の大西一史市長によると、機材搬入について事前に連絡はなく、防衛省に確認したところ、「部隊運用の観点から答えられない」とされた。大西市長は9日、防衛省が開催していない住民説明会について、記者団の取材に「今までのやり方を見て、(防衛省への)信頼感がすごく低下している。誠実な説明をしていただく場は必要ではないか」と述べた。

 九州防衛局は17日、木村知事や大西市長のほか、地元自治会や近隣商店街の役員らを健軍駐屯地に招き、配備する装備品を展示する。木村知事は9日、記者団に「さらに広く地域住民に向けた装備品展示会も開いていただくよう求めたい」と述べた。【野呂賢治、黒澤敬太郎】

毎日新聞

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