勝海舟が建築指揮した「台場」 市道工事で発見 大阪・高槻
幕末に勝海舟が設計責任者として建築の指揮を執った「梶原台場」の堀と石垣の一部が、大阪府高槻市内で見つかった。同市文化財課が25日、発表した。二つの砲台と関所の機能を備え、倒幕派の長州藩の上洛(じょうらく)阻止などを目的に慶応元(1865)年に西国街道に完成。絵図は残っていたが、明治期に取り壊されて詳細な場所は分かっていなかった。
市や専門家によると、台場跡はJR東海道線の東側の市道工事に伴って発見。調査面積は約300平方メートルで、台場の屈曲部にあたる堀(幅約5メートル、深さ1・5メートル以上)と、堀の西面の石垣(1段分)、東面から南面に続く石垣(2段分)を確認した。
台場の規模は南北約200メートル、東西約300メートルとみられ、星形が特徴の北海道の五稜郭で知られる「稜堡(りょうほ)式」という西洋の築城技術が使われた。京都まで徒歩で半日ほどの場所にあり、これまでの街道を水堀で塞いで、行き交う人たちを藤堂(津)藩が警衛する台場内を通行させたという。
文久3(63)年に京都守護職の松平容保(かたもり)の幕府への進言がきっかけで外国船の淀川通行阻止を目的に「楠葉台場」(国史跡、枚方市)と合わせて計画。勝海舟が建築の指揮を執り、建設前に周辺視察したという。
淀川近くが予定地だったが「禁門の変」(64年)で朝敵となった長州から京を守るため、西国街道に建設された。「王政復古の大号令」(68年)の当日かその前後に京都を目指す1000人規模とみられる長州軍が梶原台場を通過。高槻市史には藤堂藩と争いになる寸前だったことが記されている。
京都橘大文学部の後藤敦史准教授(幕末史)は「外国船の淀川通航阻止から、長州の上洛阻止へと台場の目的が変化した。梶原台場は幕末期の政局の展開を示す史跡だ」としている。
◇28日に市が現地説明会
市は28日午前10時から正午まで、同市梶原3で現地説明会を開く(小雨決行)。見学者用の駐車場はなく、公共交通機関(阪急上牧駅徒歩10分)の利用が必要。問い合わせは市立埋蔵文化財調査センター(072・694・7562)へ。【稲垣淳】
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