豊洲市場で魚のあら盗み、客に提供か 居酒屋経営の容疑者逮捕

2025/11/28 17:16 

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 世界中の鮮魚が集まる東京の台所・豊洲市場で11月、魚市場ならではの窃盗事件があり、容疑者が捕まった。盗んだとされるのは「魚のあら」。本来は魚の餌として取引されたものだったが、容疑者はこれを調理し、自身が営む居酒屋で客に提供していたという。

 警視庁深川署は28日、魚のあらを盗んだとして、中国籍の居酒屋経営、呉華維容疑者(66)=東京都中央区勝どき2=を窃盗と建造物侵入容疑で逮捕したと発表した。「調理すれば食べられると思った」と容疑を認めている。

 深川署によると、あらは市場内の会社が養殖魚のエサに加工するために1キロ7円で仲卸業者から買い取ったものだった。呉容疑者は自身の居酒屋で出す魚を豊洲市場で仕入れており、魚のあらは「つみれにして自分で食べたり、カマ焼きにして客に出したりした」と話しているという。

 逮捕容疑は、11月21日午後11時半ごろ、豊洲市場内にある「魚あら残渣(ざんさ)集積所」に忍び込み、魚のあら30キロ(210円相当)を盗んだとしている。

 市場の防犯カメラに、集積所にある魚のあらを自転車の荷台にくくりつけた箱や前かごに入れる呉容疑者とみられる姿が映っていた。これを見た市場関係者が26日、集積所の近くを歩く呉容疑者に気付き、110番した。【朝比奈由佳】

毎日新聞

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