亡くなる直前まで仕事 タウン誌編集長の闘病記、一冊の本に 神奈川
神奈川県藤沢市に関わる人を取り上げながら地域文化の発信を続けたフリーペーパーの編集長が2年前、がんで亡くなった。亡くなる半年前からウェブに書きつづった闘病記が注目を集め、遺志を継いだ編集者らが遺稿をまとめて自費出版にこぎ着けた。関係者は「闘病の傍ら、亡くなる直前まで仕事を続けた編集長の生き方をぜひ読んでほしい」と話している。
季刊のタウン誌「ふじさわびと」の編集長を務めていた大野木加代子さんが、ステージ4の胆管がんを告知されたのは2021年11月だった。14年に株式会社「ふじさわびと」を設立し、編集長として藤沢をもり立てる誌面を切り盛りして7年がたっていた。化学療法で治療し、入退院を繰り返しながら仕事も続けた。
1年半後、大野木さんは「編集長のwithがん日記」と題してブログを書き始めた。新型コロナウイルス禍を機に、それまで紙だけだったタウン誌をWEBでも展開するようになり、そのページで掲載した。
日記には、自らが受けた難治性の胆管がん治療の詳細な記述のほか、医師とのやり取り、入院生活での出来事、不安と希望が交錯する心情が克明につづられている。
連載開始から約半年後の23年11月、大野木さんは亡くなった。73歳だった。97回続いた日記の最終回は亡くなる半月前。最期まで仕事に心が向いていた。
連載当時から大野木さんの日記はよく読まれ、今でも掲載記事のアクセスランキングで上位を占めているという。
一緒に「ふじさわびと」の編集に携わり、大野木さんの後任となった出水澤(いずみざわ)紀子・取締役編集長らが「この日記を出版して、多くの人、中でもがんと闘っている方に読んでもらえれば役に立てるかもしれない」と自費出版を決意。今年の3~4月にかけてクラウドファンディングで資金を集め、日記のタイトルそのままの200ページの本が200冊できあがった。
闘病中も、地域のさまざまな人と関わり続けた大野木さん。「病に向き合いながら、仕事人生を貫いた姿勢がこの日記に表れている」と出水澤さんはいう。
大野木さんの跡を継いだ大小原(だいこはら)徹・代表取締役は「闘病中『紙でのタウン誌発行をやめようか』という話もあったが、そうなると大野木さんが気落ちしてしまうかもしれないと思い『続けてほしい』とお願いした」と思い出を振り返る。
大野木さんが亡くなった後の24年には、大小原さんや出水澤さんらが新たな会社を設立。23年1月まで26号続いた紙の発行をやめ、「WEBふじさわびと」に絞って情報発信を続けている。
出水澤さんは「大野木さんが培ったタウン誌の志を維持し続ける。この日記に込められた思いを広く知ってもらえればうれしい」と話している。
日記は藤沢市の図書館などに寄贈したほか、1冊2000円(税込み)で希望者に販売するという。問い合わせはメール(fujisawabito@gmail.com)へ。【澤圭一郎】
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