8道県、クマ被害で国に緊急要望 ハンター確保への財政支援など

2025/11/06 20:45 

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 クマによる人的被害が相次ぐ中、北海道、東北6県、新潟の8道県は6日、国に対する緊急要望をまとめた。ハンターの確保に向けた制度の検討や財政支援、国による実態調査などを求めた。

 要望したのは、自治体が実施する緊急銃猟の体制整備や、ハンターの育成・確保への支援など。捕獲の際にハンターらが負傷した場合は、公務災害が適用される制度の検討も求めた。

 このほか、空き家に放置された柿や栗などの木を伐採できる制度の検討や、クマの捕獲や被害対策のための国の交付金を弾力的に運用できるよう求めた。国が定期的に実態を調査し、クマの分布状況や個体数を把握することも要望した。

 緊急要望は、青森県むつ市で同日開かれた「北海道東北地方知事会議」に8道県の知事らが出席しまとめた。

 また、東北森林管理局は6日、冬眠に備えたツキノワグマの主な食料となるブナの実が2025年度、青森、岩手、宮城、秋田、山形の5県で「大凶作」だったと発表した。管轄区域の5県全てで大凶作となるのは、人身被害が多発した23年度以来。餌を求め、人里での出没が増えたとみられる。

 同管理局は9~10月、5県の計137カ所で、ブナの結実状況を目視により調査した。秋田県は48カ所のうち46カ所、岩手県は24カ所のうち21カ所で結実していなかった。【松本信太郎】

毎日新聞

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