南海トラフ地震の予測、高知県が13年ぶり見直し 震度7の地域拡大

2025/10/29 17:57 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 高知県は、南海トラフ巨大地震発生時の震度分布と津波浸水の県独自の予測を13年ぶりに見直し、29日公表した。震度分布では、最大震度7の自治体が2012年公表時の26市町村から33市町村に増えた。津波の高さは土佐清水市の34・5メートルが最大で、前回予測より0・1メートル高くなった。

 発生頻度が「極めて低い」とされる最大クラスの巨大地震が起きたとの想定で試算し、より安全側に立った対策を立ててもらおうと、最も大きな値を予測値とした。前回のデータに1万本の地質調査結果を加えて精緻な地盤モデルをつくり、実際の震度に近づけるために解析手法を見直した。

 震度分布では、前回予測で震度6強とされた宿毛市、本山町、土佐町、仁淀川町、越知町、梼原町、津野町が震度7に上がった。県内34市町村のうち、震度7の地点がないのは大川村(震度6強)のみになった。県全体の面積比率では、震度7が11・7%(前回予測6・6%)▽震度6が49・6%(同58・3%)▽震度6弱が38・5%(同35・0%)。

 津波は沿岸19市町村全てで予測され、高さ30メートル以上は計3市町。土佐清水市以外では、黒潮町が33・2メートル(同33・5メートル)、四万十町が30・3メートル(同31・2メートル)。20メートル以上30メートル未満の自治体は7市町に上る。

 1センチ以上の浸水面積は1万8438ヘクタールで、前回予測より4・2%減少した。役場付近の最大浸水深は、東洋町5・4メートル▽田野町4・5メートル▽奈半利町4・3メートル▽土佐清水市3・4メートル▽高知市0・3メートル。

 地震で発生する被害想定は、今回の予測を前提として試算し、26年3月ごろに公表する予定。詳細な関連資料が、高知県南海トラフ地震対策課のホームページに「令和7年度[高知県版]南海トラフ地震による最大クラスの震度分布・津波浸水予測について」とのタイトルでアップされている。【小林理】

毎日新聞

社会

社会一覧>

注目の情報