万博展示ロボットが異動? 大阪府警で勤務、詐欺被害防止を啓発

2025/10/23 17:00 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ◇まるで「未来の警察署」

 大阪・関西万博が閉幕し「万博ロス」が広がる中、大阪府警平野署で20日、万博に展示されていたロボットが1日限定で“勤務”した。署内を動き回ったり来訪者に話しかけたりして特殊詐欺の被害防止を啓発するなど、「未来の警察署」の様子が垣間見えた。【露木陽介、大坪菜々美】

 同署に登場したのは人工知能(AI)を搭載したマルチロボットの「Neibo(ネイボ)」。大阪府寝屋川市の自動車部品製造会社「エクセディ」が開発し、物資運搬や公共施設での案内、レストランでの配膳などができる。万博の大阪ヘルスケアパビリオンにも展示され、「未来の生活スタイル」を紹介した。

 この日は、万博公式キャラクター「ミャクミャク」やパトカーに似せた特別仕様のネイボ2種が勤務。署内を動き回り、体についた電子看板や音声で「怪しい電話やメールには気をつけて」と呼びかけた。生成AIにより会話もでき、「還付金詐欺とは何か」といった質問に的確に回答する場面もあった。

 同社の三浦良太・スマートロボットプロジェクト部長(47)は「警察とのコラボは初めてで光栄。ロボットに興味を持ってもらう中で被害防止に貢献できればうれしい」と今後の活躍に期待を込めた。

 ◇小枝さん、堀さん 一日署長

 府内では、ほかにも全国地域安全運動期間(11~20日)に合わせて著名人が一日署長に就任し、被害防止などを啓発した。

 阿倍野署は落語家の桂小枝さん(70)を一日署長に委嘱。小枝さんはトークショーで「米軍の女医でサウジアラビアにいる」という相手からメッセージを受け取り国際ロマンス詐欺の被害に遭いそうになった経験に触れ、「こんな時代になってしまったので、まずは『話を疑ってみる』ことが大事」と訴えた。

 北堺署の一日署長となった堺市出身でタレントの堀ちえみさん(58)は、2003年に熊取町で吉川友梨さん(当時9歳)が行方不明になった事件について積極的な情報提供を呼びかけた。

毎日新聞

社会

社会一覧>

注目の情報