初防衛の一力遼名人「第1局、逆転で制したことが…」 一問一答

2025/10/15 20:49 

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 第50期名人戦七番勝負で挑戦者の芝野虎丸十段(25)を4勝2敗で降し初防衛を果たした一力遼名人(28)が15日、対局場のある愛知県田原市の老舗旅館「角上楼」で記者会見した。一力名人は「第1局を逆転で制したことが結果的に大きかった。7冠制覇は目標ではあるが、目先のタイトル戦や本戦を自分らしく戦いたい」と語った。主な一問一答は以下の通り。【武内亮】

 ――シリーズを振り返って。

 ◆非常に難しい碁が多いシリーズでした。第1局の1日目がかなり苦しかったですが、そこを逆転で制することができたのが、結果的には大きかったかなというふうに思います。

 ――納得のいくシリーズだったのでしょうか。

 ◆結果を残すことができたのは一つよかったかなと思いますけど、内容的には本当に紙一重のシリーズだったと思いますし、今日の碁も判断が難しい部分が1日目から長く続いていましたので、そのあたりはもっと改善の余地はあるかなというふうに考えています。

 ――名人戦は防衛が始まったばかりですが、今後の名人戦について教えてください。

 ◆2連覇を果たすことができたのは自信になります。来年以降のことは今から考えても仕方ない部分もありますし、相手もどなたが来るか分からない状況ですので、一年一年積み重ねて(連覇)記録を少しでも伸ばしていきたいと思います。

 ――17日から王座戦が始まるなどハードスケジュールが続きます。長期的な目標として7冠独占というのが頭の片隅にあると思いますがいかがでしょうか。

 ◆目標であることには変わりないですけど、十段戦や碁聖戦は本戦も始まっておらず、まだまだ現実的ではないかなと。目先のタイトル戦であったり本戦であったり、自分らしく一つずつ戦っていければいいかなと思います。

 ――2年前の碁聖戦で敗れて以来、タイトル戦(番勝負)は負けなしの8連勝となりましたが、どのように受け止めていますか。

 ◆今回の名人戦は4勝2敗でしたが、内容的にはどちらに転んでもおかしくない碁が多かったので、そういった中で結果を残すことができたのは一つうれしく思います。タイトル戦にここ数年出続けるようになって、その経験が生きている部分はあるかなと思います。

 ――最近のシリーズを見ていて、五番勝負だと二つまで、七番勝負だと三つまで負けてもいいというような余裕を感じることが多いが、その辺はどう考えていますか。

 ◆一発勝負のトーナメントとはまた違う戦い方になる部分はありますけど、一局一局ここを大事にやっていくというところはあまり変わらないですね。

 ――17日から王座戦、そして天元戦、年明けは国際棋戦のLG杯決勝、棋聖戦と続きますが改めて意気込みを聞かせてください。

 ◆まずは目の前のタイトル戦、現在ですと王座戦や天元戦になりますが、一つ一つ集中して戦っていきたい。年明けにはLG杯ということになりますが、今回の名人戦では判断の部分で課題が見つかったと感じています。そのあたりのパフォーマンスをさらに上げていけるように精いっぱいやっていきたいと思っています。

毎日新聞

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