広陵野球部の加害生徒「事実は大きく違う」 SNS投稿に疑問

2025/10/10 20:44 

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 広島市の広陵高野球部での暴力事案を巡り、加害側とされる3年生部員の一人が10日、毎日新聞などのオンライン取材に応じた。被害生徒の保護者らが交流サイト(SNS)で訴えた内容について、部員は「事実は大きく違う」と主張した。

 学校によると、今年1月、当時1年生だった元部員が部のルールに反して寮でカップ麺を食べたことに対して、上級生4人が個別に暴行を加えたとしている。元部員の保護者は7月下旬、SNSに「10人以上に囲まれ」「合計100発をも超える集団暴行」と投稿したが、部員は「2人きりで、胸のあたりを2回小突いた」と反論した。

 保護者の投稿をきっかけに、SNS上ではさまざまな匿名の書き込みが飛び交った。広陵が夏の甲子園に出場中だった8月上旬、部員はそれらの投稿を知り、「自分の名前が特定され、『くそがき』とも書かれ、いやな気持ちになった」と振り返った。その後、夏の甲子園の出場辞退が決まると、やまないSNS上での書き込みや出場辞退への責任から、しばらく眠れない日が続いたという。

 部員は、誹謗(ひぼう)中傷を受けたとして名誉毀損(きそん)容疑での告訴状を提出しており、「周りの視線が怖くなり、卒業後もどう見られるのか不安だ」と語った。

 被害を受けた元部員と保護者に対し、「手を出してしまって、人生を変えてしまい申し訳ない」と謝罪の言葉を述べた。一方で、「SNSで誇張した内容を投稿したことには疑問を覚える」と訴えた。

 広陵は10日、この事案について弁護士3人による第三者委員会を設置したと発表した。「事実関係を明らかにし、調査結果を踏まえて再発防止に取り組む」としている。【安徳祐、西山夏奈】

毎日新聞

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