「極めて危険な行為」 バーベキュー事故で学生死亡で有罪判決

2025/10/02 21:57 

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 福岡県柳川市のハリウッドワールド美容専門学校で2023年5月、バーベキュー(BBQ)のコンロにアルコールを注いで炎上させ、燃え移った男子学生を死亡させたとして業務上過失致死罪に問われた元教員助手の篠原翔大被告(25)に対し、福岡地裁は2日、禁錮1年6月、執行猶予3年(求刑・禁錮1年6月)の有罪判決を言い渡した。岡本康博裁判長は「安全配慮せずにアルコールを注入した過失の程度は大きく、厳しい非難は免れない」と述べた。

 被告は公判で起訴内容を認め、遺族へ謝罪していた。弁護側は「(上司らから)アルコールが火おこしに有用とすり込まれた特殊な状況があった」と主張し、量刑が争点だった。

 判決は「被告は別の教員からアルコールの使用を止められたにもかかわらず、自らの判断でコンロにアルコールを注入した」と指摘。「極めて危険な行為で、年若い被害者を亡くした遺族の悲しみは深く、結果は重大」と非難した。一方、火おこし時に限定はしていたものの、アルコールの使用を発案したのは当時の理事長だったと言及。被告は理事長の叱責を恐れて冷静な判断が難しかった状況なども考慮し、執行猶予を付けた。

 判決によると、被告は23年5月24日にあった専門学校のバーベキュー大会で火おこしと安全管理を担当。火力を強めるために午後0時50分ごろ、着火した木炭が敷かれたコンロにアルコールを注いで炎上させ、燃え移った柳沢禅さん(当時18歳)を同6月6日にやけどによる多臓器不全で死亡させた。

 事故では他の男子学生3人もやけどを負った。県警は被告と当時の理事長ら計3人を書類送検したが、被告1人が業務上過失致死罪で起訴され、残る2人は不起訴となっていた。【森永亨】

毎日新聞

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